きのこには食べておいしいものがたくさんあるけど、中には恐ろしい毒きのこもあるんだよ。
誤って食べると激しい腹痛やげり、頭痛や筋肉の痛みがおこったり、激しいこうふんやまぼろしがみえたりするなどの症状があらわれたりするんだ。
ときには死んでしまうこともあるんだよ。
日本では平均で毎年200人くらいがきのこ中毒事故にあっていて、ほぼ1人(多い時には5人)が亡くなっているんだ。日本には200種類を超える毒きのこががあるけど、毎年の事故はそのうちのわずか10種ほどで起こっているんだ。
毒きのこの簡単な見分け方はないので、中毒を防ぐには事故の多い、また死んでしまうような毒性の強いものからひとつずつ覚えるようにしないといけないね。
●ツキヨタケ
中毒事故No.1のきのこ。
秋、落葉広葉樹(らくようこうようじゅ)、とくにブナの枯れ木や倒木に生えるよ。
色はシイタケに、形はヒラタケに似ていて、暗闇でひだが光る(写真右)んだよ。裂いてみると柄の根元の所に黒いしみがあり、ひだと柄の境目が輪のように盛り上がる特徴があるんだ。
食べると激しいげりと腹痛、おう吐などがおこるよ。
●カエンタケとベニナギナタタケ
どちらも秋に地面に生えるんだ。
色や形が似ているので間違えやすいんだよ。
このように、よく似た食用きのこと間違えての事故が多いんだ。
しっかりとそれぞれの特徴を覚えておくことが大切だね。
●ドクツルタケ
秋、林の中の地面に生えるんだ。
全体が白い色。柄の上のほうにぶら下がった膜、また根元には、つぼという袋のようなもの(土にかくれていることが多い)があるんだよ。
たびたび死亡事故を起している恐ろしい毒きのこなんだ。
●クサウラベニタケ
秋、雑木林の地面に生え、しばしば群生するんだ。ツキヨタケと並んで中毒例の多い毒きのこなんだよ。
傘はネズミ色で径5―10cm位で、ひだははじめ白いけど、きのこが成熟すると赤味を帯びるんだ。
食べてしまうと激しい腹痛と下痢、おう吐が起こるんだよ。
●タマゴタケモドキ
夏から秋、ブナやミズナラなどの雑木林の地面に生えるんだ。きのこは中型で、初め全体が白い被膜におおわれているけど、のち被膜が破れて、黄色い傘と細かい黄色のささくれ模様をもった柄が現われるんだよ。
被膜は柄の基部に袋(つぼ)となって残るんだ。猛毒で、死亡例が知られているんだ。